我孫子をどんなまちにしたいかを、我孫子住民が中心になって、自由に話し合う「我孫子の明日を話し合う」サロン(“あすあびサロン”)の第3回の報告です。
参加者が20人を超えました。それも30代から90代と多様な世代の集まりになりました。

今回は市議会議員の内田美恵子さんに問題提起してもらいました。
内田さんは、まず市会議員の立場からご自身が心配している我孫子の現状として、少子高齢化の進行や財政事情などをわかりやすく話してくださいました。
その上で、我孫子をどんなまちにしたいかに関しては、前の我孫子市基本計画に掲げられていた「手賀沼のほとり 心輝くまち」というイメージが自分は好きだと話し、それに向けてのいくつかの活動も紹介してくれました。
そして最後に、そうしたことを進めていくための姿勢として、実際に今起こっている「我孫子新田地区の開発」に関して少し詳しく話をしてくれました。この最後の問題には、まさに市役所(行政)と住民(市民)との関係が示唆されています。そして内田さんは、「市の都合が優先した計画の変更」にならないように住民と行政とがしっかりと話し合うことが大切だと話されました。
そこから話し合いが始まりました。
今回は予想以上に参加者が多かったので、時間の関係もあって発言できなかった方もいたと思いますが、参加者ご自身が取り組んでいる活動の紹介などもあり、いつものようにかなり気楽な話し合いができたと思います。
話し合いは多岐にわたったので、勝手ながら事務局として印象に残り、これからのあすあびサロンにとって大切だと思うことを3点ほど報告させてもらいます。
まず内田さんが話してくれた市が置かれている状況に関してです。
たしかに我孫子市も他の市町村と同じく少子高齢化や環境問題、さらには財政問題を抱えています。そうしたことの解決や対策に取り組んでいくことは大切ですが、あすあびサロンとしては、できれば全く逆の対応をしていければと思っています。
かつて手賀沼は日本1汚染された湖沼と言われていましたが、それが契機になって、市民運動やごみの分別収集などが盛んになって、全国から視察に来るようなモデル地域になりました。つまり、地域が関わる「問題」や「欠点」は、捉え方を変えれば「地域資源」になるのです。
たとえば、今回も、内田さんは最近我孫子市にも外国の人が増えてきたというお話をされました。外国籍の人が増えることをどう捉えるかに関しては2つの姿勢があります。トラブルが起こるとか治安に問題が起こるとか「問題視」する姿勢と外国籍の人たちと一緒に何か新しい物語を生んでいこうという「資源視」する姿勢です。
今の日本では、問題視してなんとかそれを取り締まろうという雰囲気が強く、法整備もそういう姿勢で進んでいます。しかし地域によっては、外国籍の人たちと一緒に豊かなまちづくりに取り組んでいるところもあります。実際に今回も、ある参加者から、外国の人たちが増えているなら、そういう人たちと一緒に何か楽しいことができるのではないかという発言がありました。実際にトラブルで困っている人から見れば、能天気な発言に思われるかもしれませんが、あすあびサロンでは、「問題解決」よりも「価値創造」を大切にできればと思います。
なおサロンでは、トラブル解消に関しても具体的な提案もありました。そこにもトラブル解消にとどまらない「豊かなまちづくり」のヒントがあったような気がします。
ふたつ目は、内田さんが新田開発に関して、「市の都合が優先した計画の変更」にならないようにと発言されたことに関してです。「市の都合」は本来「市民(住民)の都合」であるべきですが、残念ながら実際にはそこに大きな乖離があります。
この新田開発に関しても、市はパブリックコメントで住民の意見を訊いていますが、300人を超す人がコメントしています。しかし、コメントを反対と賛成に分けて発表しているのが私にはなじめません。賛否が問題ではなく、市と市民が一緒になっていい計画をつくっていく関係がなぜできないのか。市(行政)が、市民(住民)と別の「都合」を持つような状況をつくっているのは、市民(住民)の姿勢なのかもしれません。
これもあすあびサロンの大きな展開方針にしていければと思っています。
3つ目は世代交流の話です。長年市民活動に取り組んできた90代の参加者から、自分たちの活動を若い世代に継承していきたいが、なかなか若い世代の人が入ってきてくれないという発言がありました。一方、30代の若い世代の参加者は、むしろ高齢者も含めて多世代交流したいがそういう場がないと発言されました。
おそらくそれぞれの世代が、別々のスタイル、別々の課題、そして自分たちの「社会観」で活動しているのでしょう。お互いに活動が見えていないのかもしれません。
しかし、まちづくりがもし「人のつながりを豊かにすること」であれば、世代分断的なまちづくり活動だけではどこかにひずみが出かねません。
若い世代が入ってこないのであれば、若い世代の活動に入っていけばいい。世代交流できる場がなければつくればいい。あすあびサロンでは、「できないこと」を嘆くのではなく、「できること」を考えていくことを大切にしたいと思います。
まだあすあびサロンには若い世代の参加者が少ないですが、小学生も含めて、多世代が対等に話せるような場にしていけたらと思います。
ちなみに、参加者からいま若者たちが取り組んでいる映画づくりの紹介がありました。こういう形で、若者世代の活動がだんだん見えてくるでしょう。近々その映画の上映会も開催されます。世代を超えた交流と活動が始まるような期待があります。
長くなってしまいましたが、話し合いの内容はあまり書けませんでした。
お許しください。
あすあびサロンはこれまで3回にわたって、市議会議員に話題提供してもらってきましたが、次回はちょっと立ち止まって、みんなでどんなサロンに育てていけばいいかを話し合えればと思っています。日程など決まりましたら、またご案内します。
なお、あすあびサロンの参加者の交流用のメーリングリストがありますので、参加ご希望の方はご連絡ください。登録させてもらいます。
そういうSNS活動をやってくれる若い仲間を探しています。
徐々に組織化も進めていきますので、代表や事務局長も募集中です。
やってもいいという方は下記まで連絡ください。
qzy00757@nifty.com
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