カテゴリー「妻への挽歌21」の記事

2023/09/22

■節子への挽歌5791:兄への報告

節子

前立腺がんへの対応をどうするのか、兄がうるさいので、一応、これまでの経過とこれからの考えをきちんと話そうと思い、一緒に食事をすることにします。
またけんかになると悪いので、ユカにも同席を頼みました。

兄は早く手術をしろとうるさいのです。
自分はいろんな癌体験があるので、何もしない私が気になるのでしょう。
兄は近代西洋医学をほぼ信頼していて、コロナワクチンもきちんと打っています。
私よりも高齢ですが、いまもまだ健康で、ボランティア活動も熱心です。
だから私よりもたぶん経験も知識も、実績もあるという思いが強いのでしょう。

今回は一応、これまでの経緯をきちんと話し、これからの考えも伝え、w他紙の思うようにやるので心配は不要と言いました。
まあ幸いに異議申し立てはなく、話は平穏に終わりました。
でも価値観や何晏が得方の違いを、改めて感じました。
兄弟なのに、どうしてこうも考えは違うものなのでしょうか。

前立腺癌になったおかげで、友人知人の考えもいろいろと伝わってきます。
それが実に面白いのですが、それへの対処の仕方は、実にまた悩ましい。

まあしかし、いずれにしろ兄が理解してくれたので、ちょっと安心です。
でも本当に理解してくれたかどうかはわかりませんが。
兄弟ほど、理解し合うのが難しい関係はありませんから。

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2023/09/21

■節子への挽歌5790:今日はすごい雨でした

節子

今日の我孫子は、夕方、短時間でしたが、すごい雨でした。
いつも利用している近くの隧道は水があふれて、動けなくなった車が水に浮かんでしまっている風景がテレビでも報道されていました。
わが家のベランダも、一気に5センチ以上の水がたまったほどです。
あまり長期的ではなかったの、手賀沼は大丈夫だったようですが、下のふれあい道路は一時、水で通行止めになっていました。

ちょうどその時、ジュン親子は自動車で出ていたのですが、幸いにうまく帰宅できました。
ただこの辺りも雨で水が出たり、がけ崩れがあったりの危険地域ではあります。

でも節子が選んでくれたわが家の場所は、雨でも大丈夫でしょう。
これも節子のおかげです。

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2023/09/20

■節子への挽歌5788:医師との相談し手術を少し延ばしました

節子

前立腺がんをどうするかについて、医師と相談しに病院に行きました。
医師は言うまでもなく、できるだけ摘出手術か放射線治療をするように勧めています。
でもせっかくの機会ですので、私としてはいわゆる民間療法も試してみたい。
言葉を選びながらそう相談しましたが、医師はやはり反対で、民間療法の効果はそう簡単には出ないが、どうやってそれを判断するのかと問われました。

たしかにそれも理解できます。
よく癌が消えたなどという報告がありますが、それほどうまくはいかないでしょう。
それに癌かどうかはさほど明確ではない。
私の場合、「明らかな骨や他所への転移は認められなかった」ということですが、それはどうじに「明らかに転移していないとも認められなかった」ということです。いつ、転移するかわからない。

いろいろと話した結果、もし明らかな効果が見られなかったら、11月から標準医療に復するという前提で、医師は私の民間療法への取り組みを認めてくれました。
医師には結果はもうわかっているようで、11月には手術になると思っているようです。
たぶんこれまでの経験知からなのでしょう。
医師はやはり転移を心配しているようです。

医師と話していると、やはり医師に従ったほうがいいかなという思いになりがちです。
ふらふらしている自分が、いささか情けなくなりますが、まあ10月いっぱいは、判断せずに民間療法を体験することにしました。

まあそんなわけで、あんまりすっきりしませんが、10月いっぱいは標準治療的な処置はとらないことにしました。
さてどうなりますことやら。

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■節子への挽歌5789:吉凶?

節子

今日、病院から返ってくる途中のことです。
人通りの少ない大通りで、小学1年生らしい女の子が一人、重そうなランドセルを背負って歩いてきました。頑張っているなと思って、遠くから見ていたのですが、近くに来たら、突然、私の顔を見て大きな声で、「こんにちは!」というのです。
あれ!知っている子かなと思ったのですが、知った顔ではありません。
そもそもこの辺りに住んでいる友人はいません。

私も反射的に、大きな声で、「こんにちは!」と返しましたが、つい、ついでに「元気がいいね!」と言ってしまいました。
まあそういうやり取りはありましたが、そのままお互いすれ違いましたが、気になって、すぐ振り向きました。そうしたら彼女もまた、タイミングよく振り向きました。
それでまた「すごいね!」と、私はわけのわからない言葉を発してしまいました。
何がすごいのかわかりませんが、その子のリズミカルな歩き方と元気のいい「こんにちは」が、実に快かったのです。

それでまた、振り向いたら、今度もまた、その子も振り向いています。なんというタイミングのよさか。
そして3回目、かなり離れてから振り向いたら、またもや顔が合い、その子は手までふっている。そして、曲がっていきました。

あの子はいったい誰だったのでしょうか。
ランドセルも含めて、なんとなく緑の雰囲気の女の子でした。

病気で医師と話してちょっと元気をなくしていましたが、それを知って慰めに来てくれたのでしょうか。
あの歩き方は、ちょっと尋常ではなかった気がしないでもありません。

FBで書いたら、読んだ人からそれは「吉凶」だと書き込みがありました。
そう思うのがいいので、そう思うことにしました。
なかには節子だったのではないかという人までいましたが。

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2023/09/19

■節子への挽歌5787:節子との思い出のある無用の長物

節子

大学を卒業して会社に入り、最初のボーナスで買ったのが、パイオニアのオーディオセットでした。
オーディオセット自体は壊れてしまいましたが、このスピーカーボックスだけは愛着があり捨てられずにいました。転居の度に迷いながら残してきたのです。
でも転居しなくなってからは、奥にしまわれ忘れてしまっていました。

地下室の整理をしていたジュンがどうするのかと言ってきましたので、廃棄してくれと言ったのですが、廃棄当日になって、また気が変わってしまいました。
ゴミにしない方策はないものか。

もう一つ同じような大きな無用の長物があります。
日本で最初期に商品化された富士通のワープロ「オアシス100」です。
懸賞論文の賞品でもらったものです。これを使って最初に書いた社内レポートは話題になりました。当時はまだ会社にもワープロは入っていませんでした。
これも捨てられずに廊下の隅に長年置かれたままです。
これにも思い出が山のようにあるのです。

いずれも節子との思い出がたくさんあるのです。
さてさてどうするか。
節子が健在であれば、いずれも多分輝きを失わずにいるのでしょうが、いまとなったはまさに「無用の長物」です。

さてさてどうするか。

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2023/09/18

■節子への挽歌5786:「思いを解き放す(説き話す)場」

節子

我孫子の若い友人、林さんが最近、父親を見送りました。
2年半まではお元気だったのですが、2020年の12月に検査で病気が発見され余命宣告を受け、2年半経過後の今年の7月に永眠されたのです。

林さんからは、余命宣告を受けた父親とはどう接したらいいかなどと相談も受けていましたが、私としては、これまでと同じように、しかしできるだけ一緒にいる時間を増やした方がいい、という程度のことしか言えませんでした。

その林さんから

湯島で父を亡くして思うことを話すサロンをしたいなと思うのですが、可能でしょうか? 病気、病院、葬儀屋への愚痴みたいな話になりそうですが・・・

というメールをもらいました。林さんの気持ちが少しわかるような気がしました。

私も節子を送った後、誰かに話をしたかったのですが、話す場がなかった。たしかに家族を亡くした人の話は、あっけらかんとは聞けないでしょう。
でも話す方は、放すことに意味がありますから、過剰に反応してほしくない。でも、かといって、無関心には聞いてほしくない。
わがままというか、微妙なのです。

残念ながらサロンの参加者は少なかったのですが、こういう「思いを解き放す(説き話す)場」がとても大切だなと思いました。

 

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2023/09/17

■節子への挽歌5785:にことユカとマック

節子

めずらしくにこから、本を買いに行ってもいいという要望がありました。
なにやらほしい本があるのだそうです。
本だけはいつでも無条件に買ってあげると言っていますので、ここは喜んで付き合うことにしました。行きたい本屋さんが、ちょっと遠い、ショッピングモールにあるので、ユカに頼んで車で行くことにしました。

本はもう決まっていました。私の好みではありません。
それで私好みもいくつか推薦しましたが、すべて拒否。
今回はこの1冊でいいのだそうです。どうもにこの本の趣味と私の趣味とは大きく食い違っていますが、こればかりは仕方ありません。

本を買った後、今度はマックに行こうというのです。
にこから言い出すとは、これもうれしい話です。
でもよりによってマックとはと思いましたが、付き合うことにしました。ここでもなにやらお目当てがあるようですが、店頭はかなり行列しています。今日は何かイベントがあったようで、ともかくショッピングモールは大混雑。ユカに任せて、私は近くのフードコートの空席を何とか探して、そこで待つことにしました。
待つこと10分以上、こういう社会は実に私には苦手です。

にこはナゲットセットを頼んだようです。

私にはソフトクリームを買ってきてくれました。
そして私にも、ナゲットとフライドポテトを食べてもいいよと勧めるのです。
ちょっと機嫌がいいので、例の「ぴょんぴょんうさぎ」の画像のFBへのアップを交渉しましたが、やはりダメ。にこは一度決めたらなかなか動かない。

結局、ナゲットは自分はあまり食べず、半分以上を私とユカにくれました。なんで食べないのかと訊いたら、夕食用にお腹を空けておくというのです。マック嫌いの私においしいナゲットを食べさせたかったのでしょうか。いや、そんなやさしい孫ではない。なにしろ写真のアップを許可しないのですから。
ちなみに、ナゲットを一緒に食べている今日の写真も、許可が出ませんでした。面白い写真が取れたのですが。

どうも私はにこには全く信頼されていない。
私の提案はほぼすべて無条件に「ノー」ですから。孫と付き合うのは疲れます。

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■節子への挽歌5784:にこの「ぴょんぴょんうさぎ」が県展に出品されます

節子

にこが夏休みの宿題で作った工作作品「ぴょんぴょんうさぎ」が、県の大会に出品されることになりました。出展前にいま、近くのアビスタで、我孫子市内の「小中学校科学作品展」で展示されているというのです。
家族以外は撮影禁止だというので、にこに案内してもらうことにしました。にこはもう昨日、家族みんなで見に行ったので、行きたくないと渋っていましたが、なんとか説得して、ふたりで見に行きました。

会場の入り口近くににこの作品が展示されていました。でもそこには、作品に触らないでくださいと書かれている。動かしてみなければ、意味が分からない作品も多いのですが、これではせっかくの作品の面白さが伝わらない。
作者でも作品には手を触れられないようですが、作者は写真だけはとってもいいそうです。それでにこと作品の写真を撮りました。しかし、なぜかにこは社員は公開するなというのです。
動かない写真は何も伝わらないからかもしれません。

作品の題名は「ごはんですよ!」です。
ごはんですよという声に、うさぎがぴょんぴょん跳ねるのです。

券の作品展に出す前に、一度、作品が戻ってくるそうです。
その時に動画を撮って、アップしたいと思います。

まあにこが許可すればですが。
なにしろいま、にこは私の要請にはすべて「ノー」ですから、許可が出るとは限りませんが。

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2023/09/16

■節子への挽歌5783:いつになっても本の廃棄ができません

節子

今日は万葉集サロンでした。
偶数月に万葉集サロンはやっているのですが、今回は特別版です。
歌を読むのではなく、万葉集とは何かを話し合うサロンです。
その報告は時評編に書きますが、このサロンのおかげで私の万葉集理解は全く変わりました。そして万葉集に大きな関心を持つようになりました。

そのテーマは「意識の誕生」、あるいは「人と人の関係」です。
講師役の升田さんに示唆されて多くのことを学ばせてもらっていますが、「万の言の葉」ともいうべき万葉集は、私がもう20歳若かったらかなりはまったかもしれません。
これまではどちらかと言えば、古代史的な視点からの関心でしたが、日本人の意識という視点からとらえると、そこに壮大なプロジェクトを感じます。

考えていくとわくわくしてしまう。
それで今日はいささか独りよがりの進め方をしてしまいました。
でも世界が見えてくると(たとえそれが誤解であろうとも)、どんどんと見えてきてしまう。
でも誰かにそれを伝えることはほとんどできない。
だから逆にまた自分の世界に浸ってしまう。
研究者とは、もしかしたらみんなそうなのかもしれません。

廃棄予定の段ボールから、むかし読んだ万葉集や日本語の本を引っ張り出してまた拾い読みをし始めていますが、新しい気づきがどんどん出てくる。
廃棄せずに残していてよかったですが、こういう体験をするとまた本が廃棄できなくなりそうです。
いつになっても、身辺の整理は着手できません。
困ったものです

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2023/09/15

■節子への挽歌5782:水素風呂

節子

節子がいなくなってから、また地元の我孫子での活動を少し始めだしました。
背中を押してくれたのが、音楽で我孫子を元気にしたいと活動してる宮内さんです。
宮内さんと一緒に、緩やかなグループを立ち上げました。
その最初の集まりは自宅でやったのですが、そこに参加した鈴木さんからこんなことから始まる長いメールが来ました。

私にとって佐藤さんは、お父さんのような存在です(勝手にすみません🙇)。

その次に書かれていたのは、自分が愛用している水素風呂をぜひ試してほしい。そして癌が小さくなって手術をしないで済むようにしてほしい。手術をしたらもう元には戻れませんから。
ともかくセットを持っていくので、早く始めてほしい。効果が出てこないと手術を止められない。

いかにも鈴木さんらしい。
結局、近くのサイゼリアで会いました。
あった途端に手術したら元に戻れないと繰り返すのです。
身内の体験からの話でしょう。
鈴木さんは看護師なので、それがよくわかるのでしょう。
話しているうちに、彼女の言うことに大きく影響されてしまいました。
結局、セットを2か月無料でレンタルさせてもらい体験することになりました。

ちょうど、水素風呂とは全く別の「温浴療法」の勧めで、4日前から12回、20分の入浴を始めていたのです。
それもあって鈴木さんは勧めてきてくれたのですが。

というわけで、明日から毎日、朝晩2回の水素風呂20分入浴を始めます。
何が起こるでしょうか。

鈴木さんに、これで骨への転移が始まったらどうしてくれるのかと訊いたら、それは佐藤さんが転移を望んでいたということです、というのです。
なるほど、それは一理ある。奇妙に納得してしまいました。

さて私の癌体験は新しい局面に入りました。

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