カテゴリー「平和時評」の記事

2023/03/23

■沖縄ではもう戦争の姿が見えてきている

最近、投稿も少なくなっているせいもあって、このブログへのアクセス数は少ないうえに、滅多にコメントもないのですが、昨日はとてもうれしいコメントが届きました。

投稿者の了解を得て、改めて紹介させてもらいます。
多くの人に読んでいただきたいと思います。

「戦争の足音が聞こえてくるような気がしています」と書かれていたので居ても立ってもいられずコメントを書こうと思った次第です。

 私は沖縄県民です。沖縄では足音ではなくもう姿が見えてきています。自衛隊基地がどんどん作られ、ミサイルや弾薬が何の了解もなしに持ち込まれてきています。12月の安保関連法案が閣議決定されてから私の心はずっと不安で押しつぶされそうになっています。本島に住む私でさえこうなのですから先島、特に与那国・八重山に住む方たちの心情を思うと涙が出てきます。こんな大事なことを閣議決定で決めたとして認められるのでしょうか?閣議決定は法令ではなく内閣や行政機関を縛るものだと理解していましたが…。私の理解が間違っていますか?

 閣議決定の後もいつもと同じような年末年始の番組でした。世の中の無関心さがとても怖いのです。政府の横暴をだまって見過ごさないでほしいのです。しかしそういう沖縄も前よりも力が弱くなっているのではないかと感じています。このままでは本当に沖縄が戦場になってしまいます。

 本土の方々は「沖縄はかわいそうだが仕方ない」「地理的にしょうがない」「自分たちのせいではない」と胸を張って言えるのでしょうか?

 「台湾有事は日本の有事」と大声で煽ってた方は亡くなりました。日本国民の皆さんには目を覚ましてほしい。戦争になっていい思いをする人は戦争に行きません。戦場にもいません。沖縄をもう二度と戦場にしないでください。これだけが願いです。

以上です。
何回も読んでしまいました。少しでも現地の人の思いをシェアしたいと思ったからです。

この方は以前もコメントくださった方ですが、私とは面識はありません。
岸田さんにはウクライナに行く前に、沖縄に行ってほしかったです。
横田基地の近くに住んでいる私の友人は、横田基地さえ様子が違ってきたと言っていました。

私も時々、ネットで沖縄の新聞記事などを読みますが、残念ながら頭での理解しかできません。沖縄と連帯する会・ぎふのサイトに沖縄関連ニュースの動画をアップしてくれているので、これも時々、見せてもらっています。
https://okinawarentaigifu.jimdo.com/          

本土ではWBCの話題に覆われていますが、沖縄では着々と戦争への道が開かれているようです。昨日の石垣市での住民説明会では、住民から敵基地攻撃能力を持つ長射程ミサイルの配備は容認できないなどの声も上がったそうですし、説明会の前の20日には、「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」の抗議活動も行われています。

どこか間違っている。そんな気がしてなりません。

また湯島のサロンで、沖縄の話をしたいと思いますが、どなたか話題提供か問題提起してくださる方がいたらご連絡下さい。

 

 

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2023/03/07

■中国の現代小説を読んだことはありますか?

米中対立構造の中で、どうも最近の日中関係もいい方向には進んでいません。
その上、私の誤解かもしれませんが、日本人はあまり中国が好きではないようです。
しかし、韓国や北朝鮮もそうですが、中国は日本の隣国です。
遠くの親戚よりも近くの他人というのは、別に個人の世界だけの話ではありません。
韓国とも北朝鮮とも中国とも仲良くすればいいと私はいつも思っていますが、どうも政治の世界ではあまりいい関係にはなりません。とても残念です。
そのせいか、中国に関するテレビや新聞での報道も、パンダ以外はあまり好意的な感じがしません。
ちなみに私はパンダがなぜあれほど人気なのかいつも不思議です。それにパンダを賃借するようなモノ扱いしていることに違和感を持たない人たちのパンダ愛には違和感があります。日本人の中国人観につながっているような気もします。蛇足でした。

話を戻します。
こんな状況が続けば、日本人はみんな中国嫌いから中国人嫌いになってしまいそうです。
そうなってほしくはありません。
そう思っていたら、ある人から最近の中国の人たちが読んでいる中国現代小説を日本に紹介している活動があることを教えてもらいました。
中国現代文学翻訳会というグループで、「いま中国に、こんなに豊かな言語空間を有する作品があることを日本の読者に伝えたい、との思いを共有する中国現代文学研究者・翻訳者の集まり」だそうです。
年2回、小説、詩、随筆など、現代中国の作品を紹介する「中国現代文学」という本を出版しています。
https://www.hituzi.co.jp/kotoba/syokai.html

教えてくださったのは、その会のメンバーのおひとりです。
早速にその人が訳した「鍬を担ぐ女」(何玉茹)を読ませてもらいました。短編ですが、中国社会の生々しい現実の一部に触れさせてもらった気がしました。もっとほかの作品も読みたくなりました。

私はこれまで現代の中国の人たちがどんな小説を読んでいるのか気にしたことがありませんでした。しかし、中国の人たちのことや中国という社会を知りたいのであれば、その人たちが読んでいる小説を読んでみるのはいいことです。そうした小説を読めば、いまの中国の人たちの生き方や考え方、あるいは社会の実相に触れられるかもしれません。そのことに気がつきました。

気がついたら動かなければいけません。
そこで、今年の6月から、中国現代文学翻訳会の同人でもある葉紅さんにお願いして、「現代中国小説」を読むサロンを定期的に湯島でやってもらうことにしました。日程が決まったらご案内しますが、中国と仲良くしたいと思っている方はぜひご参加ください。
そしてまずは、ひつじ書房が発行している「中国現代文学」で、現代中国文学に触れてみてください。葉紅さんからお借りして、湯島にも何冊か置いていますので、もし読んでみたいという方がいたら貸出しいたします。
私も、「中国現代文学」のバックナンバーに併せて、一時期、話題になったSF小説「三体」を読んでみようと思っています。

なお、湯島のサロンでは今年は「中国をもっと知ろう」という視点から、中国関係のサロンも始めたいと思っています。
話題提供してくださる方がいたら、大歓迎です。ぜひご連絡ください。

 

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2023/02/20

■北朝鮮のミサイル発射報道のたびに軍艦「天安」沈没事件を思い出します

今日、北朝鮮からミサイルが発射されました。
今年に入って3回目だそうです。

私はこういう報道がされるたびに、10年ほど前に起こった韓国の軍艦「天安」の沈没事件を思い出します。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E5%AE%89%E6%B2%88%E6%B2%A1%E4%BA%8B%E4%BB%B6

この時も、北朝鮮の攻撃による爆沈という話も流れました。
そして偶然かもしれませんが、沖縄の米軍基地に移転を働きかけていた鳩山政権は終わりました。

 誰が一体、これほど頻繁にミサイルを発射するのか。
トンキン湾事件は10年もたたずに真実が明らかになりましたが、北朝鮮ミサイル発射事件には、そういう隠された真実はあるのでしょうか。
それがわかるまで、もう少し長生きしたいと時々思います。

 

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2022/12/22

■戦争をやめさせたいのであれば、戦争をつづける人に加担すべきではない

夕刊が届きました。

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一面に大きく、バイデンとゼレンスキーの会談の写真です。
この写真を見た人は何を感ずるでしょうか。

私は大きな絶望感を持ちました。
そんなに2人とも戦争をつづけたいのか。
第三国からの軍事支援が続くかぎり戦争は終わらないでしょう。

アメリカ議会での鳴りやまない拍手には、日本の国会での拍手を思い出しました。
どうしてみんなそんなに戦争が好きなのでしょうか。

戦争をやめさせたいのであれば、戦争をつづける人に加担すべきではないでしょう。
「戦わさせられている人たち」への支援策を見つけなければいけません。
その人たちは、ウクライナにもロシアにもいます。

その一歩として、まずは自分たちも戦えるようになろうなどと呼びかける政府を支援すべきではありません。

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2022/12/21

■外交が見えない

昨日の朝日新聞に、元外交審議官の田中均さんのインタビュー記事が載っていました。
田中さんは、私とは考えは違いますが、いつも穏やかな口調とは裏腹に、極めて本質をついた示唆に富む指摘が多く、私にも信頼できる数少ない専門家のおひとりです。今回のインタビューでの発言も、とても共感できるものでした。

インタビュー記事のタイトルの「外交が見えない」というのは、私の最近の感覚にぴったりでした。
もちろん私に日本政府の外交が見えないのは当然ですが、田中さんの指摘しているのは、総理大臣も政治家も、外務官僚も自衛隊トップも、「外交」が見えていないことのようです。それも全く共感するところですが、しかし、もしそうであれば、最近急に議論されだしている防衛費の倍増方針は、恐ろしい話です。昭和初期よりももっと恐ろしい。

そう思っていたら、昨日のBS-TBSの報道19|30に、田中さんも出演し、日本の安保政策の大転換が取り上げられていることを知りました。昨夜はめずらしく用事があったので、録画しておき、今朝見せてもらいました。

出席者は、田中均さん(元外務審議官)、中西寛さん(京都大学大学院教授)、小谷賢さん(日本大学教授)、それにコメンテーターとして堤伸輔さん。
とても示唆に富む話し合いで、多くの人に見てほしい内容でした。
特に政治家には見てほしいですが、残念ながら望むべくもないでしょう。
しかし、出席者はみんな、政治家に変わってほしいと望んでいます。そして、そろそろ明治時代に構築されたシステムから抜け出ないといけないというのも共通認識だったように思います。

印象的だったのは、田中さんや小谷さんが、日本の外務省官僚は政治家への対応や資料づくりに追われて、肝心の外交の仕事をする暇がないという指摘でした。
こういう傾向は何も外務省だけには限りません。

人類学者のデヴィッド・グレーバーが明らかにしてくれたように、組織社会では、「ブルシット・ジョブ」が横行するのです。私も、1980年代以来、それを感じていて、「みんな忙しすぎて仕事をする暇がない」と言っていましたが、その意味は冗談などではなく、素直にそう感じていました。それもあって、いま湯島のサロンでは、「働くとは何だろう」をテーマにしたサロンをつづけています。

日本では、インテリジェンスを重視していないこと、それともつながりますが、専門家を育てないことも指摘されていますが、これも私が会社に入社したころから議論されながら、一向に変わっていない事態のように思います。

田中さんが、最近の安保関係者の多くは、「マッチョ」だと指摘していましたが、もしかしたらここに事態の本質が顕れているのかもしれません。

私にはとても示唆に富む番組でしたが、政治家へのメッセージは、引き続き取り組んでいくとメインキャスターの松原さんが公言しましたので、これからに期待したいと思います。

ちなみに、この番組のホームページに、動画がアップされるはずですので、お時間が許せばご覧ください。
https://bs.tbs.co.jp/houdou1930/

ちなみに、この番組の冒頭で、日銀の黒田総裁の記者会見に関して、コメンテーターの堤伸輔さんが「怒り」を感じさせるような思いを吐露していました。コメンテーターは、こうあってほしいものです。

 

 

 

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2022/12/18

■汚れ役はいつも「端役」に任される

陰謀論がまた最近にぎやかですが、そういう時期には、その奥で真の陰謀が動いている時代だと、私は思っています。
私が体験した限りですが、1970年代も90年代も、そうだった気がするからです。
当時も、陰謀論はにぎやかでした。
日本の政治は、私にはとんでもないと思われる方向へとまた大きく一歩進みだしそうです。

もう一つ私の体験で感ずるのは、政治が国民(生活者)にとって悪い方向に動き出すときに、表面でその旗振りをする人は、いつも「端役」を演じている人のように思います。
たとえば、小泉さんであり、野田さんであり、阿部さんであり、岸田さんです。
いずれも自らの信念で動いているとは私には到底思えない人たちです。
黒幕は決して表には出てこない。
「端役」たちに、役割を巧みに振って、事実が見えないようにするようです。
最近の防衛政策に関する姦しいほどの賛否両論は、まさに茶番のように感じます。しかもその後ろでは原発政策まで組み込まれています。

流れに抗って、国民(生活者)にとって善い方向に動こうとした人もいないわけではありません。私が思うには、鳩山友紀夫さんがそうでしたが、見事にたくさんの「端役」たちに裏切られてしまいました。

以上は、私の最近の妄想ですが、いずれにしろ原発や軍備の理念が「反転」するのは、非暴力主義者の私にはとても残念です。
日本のウクライナ化が進まなければいいのですが。

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2022/12/07

■「善徳女王」に金庾信(キム・ユシン)が登場

先週から韓国ドラマ「善徳女王」の再放映を観ています。
https://www.bsfuji.tv/seondeok/

善徳女王は、新羅初の女王で、日本で乙巳の変が起こった頃の新羅の女王です。
当時は、まだ日本という概念はなかったと思いますが、朝鮮半島と日本列島の人たちの交流はいまよりよほど活発で、たぶん当時の支配層は、日本海を超えて往来していたようです。

天智天皇や天武天皇に関しても、朝鮮半島の支配層との関係がいろいろと議論を呼んでいます。これまで日本の古代史関係の本で善徳女王の名前を目にしたことがなかったのですが、最近は時々、目にするようになりました。それで、以前から話題になっていたこのドラマを観ようと思い、再放送されるというので毎回録画しているのです。

ところが観て意外だったのですが、ローマ人まで登場し、話の展開がとても広いのです。こんなところにも韓国人(大陸半島人)の視野の広さと日本人(島国人)の狭さに気づかされます。しかし、あまりの子供向けの内容に、途中で観るのをやめようかどうしようか迷っていたのですが、今日の回に若き金庾信(キム・ユシン)が登場しました。新羅の将軍で、日本にも少なからず関わっている人です。大和朝廷の天皇ともつながりがあるはずの人です。

そうなるとがぜん興味が湧いてきて、子供向き仕立てですが、観ることにしました。
しかし、人間関係を把握するのが実に難しい。
たぶん韓国の人たち、特に新羅地域に当たっている地域の人たちは、登場人物にもなじみがあるのでしょう。

これを機に、改めて韓国史を学び直そうと思います。なにしろ隣国ですから、歴史くらいは知っておきたいと思います。
古代の日本列島を知るにも、万葉集を読み解くにも、それが必要だろうと思います。

 

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2022/12/06

■節子への挽歌5487:最高に幸せな気分の日でした

節子

今日は湯島でのオープンサロンでした。
参加者は少なかったのですが、とても刺激的なサロンでした。

まず始まってすぐに、東大の3年生の川端さんが飛び込んできました。
授業の合間にサロンに顔を出してくれたそうですが、なにやら興奮気味です。
その理由は、直前の授業は数名の講師によるパネルディスカッションだったようですが、そこで質問したら、それがどうやらいろいろと物議をかもしたようなのです。

テーマは「トランスジェンダー」。
その話の内容もともかく、理もT-形式の授業で、川端さんはどうもカメラの前で反させられる羽目になったようで、それもちょっとまさにその授業のハラスメント性を彼は感じたようです。
トランスジェンダーに関しては当事者を自称する人たちの反応は私も何回か経験しているので、彼の戸惑いや違和感も何となく理解できます。

ところで講師陣たちの顔ぶれと彼らが書いた本を見せてもらったら、なんとサロンにもよく来るヘウレーカの大野さんが作った本なのです。
あまりの偶然に因縁を感じました。

まあその話を切り口に、最近の大学の授業などについて少し聞いたのですが、最近の大学の授業は、実にライブで面白そうです。私の時代とは全く違っているようです。

もう一つは、これもオープンサロンの常連の竹形さんは提起した、「お金ではない価値の為に生きるためにお金が必要というジレンマからどうやって逃れるか」という話題です。こういう議論をできる相手は、湯島のサロンに来る人達でも決して多くはないのですが、竹形さんはまさに自らも実践しているので、説得力があるのです。

その竹形さんが、サロンの後に、自らのフェイスブックにこんな記事を唐くしていたのです。
あまりにもうれしいので、全文引用です。

場所を選ばずに「お金は価値じゃないよね」みたいな話を真顔ですると「何いってんのバカじゃないの」と言われてしまうので「価値」について突っ込んだ議論ができる佐藤さんの場は本当にありがたいです。お金の為ではない仕事について勉強する「生活事業研究会」は勝手に僕が継ぐつもりになっているのでまだまだ時間はかかると思いますがご指導よろしくお願いします(笑)

まあこのふたりのおかげで、今日は最高に幸せな気分です。

 

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2022/11/23

■「原爆投下、米国人医師は何を見たか」(原書房)をお勧めします

先日、朝日新聞で、アメリカのウィリアムズ大のジェームズ・L・ノーランjr.教授のインタビュー「核の正当化にあらがう」を読みました。

ノーラン教授の祖父は、原爆開発のためのマンハッタン計画や広島・長崎への原爆投下に医師として関わったそうです。その祖父の残した資料に出合い、そこから改めて、マンハッタン計画から原爆投下、さらにはマーシャル諸島での原爆実験などを調査し、祖父の資料を公開しました。日本でお今年の7月に翻訳出版されているのを知りました。

原著は「ATOMIC DOCTORS」、翻訳は「原爆投下、米国人医師は何を見たか」(原書房)です。翻訳の副題は「マンハッタン計画から広島・長崎まで、隠蔽された真実」とありますが、マーシャル諸島での原爆実験(いわゆる第5福竜丸事件もそこで起こりました)に関する隠蔽事実なども含まれています。

ノーラン教授もインタビューで応えていますが、もし医師たちが報告していた原爆の起こした放射線被害が世の中に公開されていたら、歴史は変わっていただろうと思います。しかし、本書で明らかにされているように、米軍はその事実を隠蔽し、実用可能な兵器として展開してきているわけです。
教授は、壊滅的な被害をもたらす兵器を肯定する考え方の源流には、広島・長崎における放射線の影響を隠蔽した米軍の活動があるとも語っています。

本書の「放射線とその言説の管理」と「ビキニとエニウェトク」はとても興味深いです。たぶんそこで書かれている米軍の体質はいまもなお変っていないでしょう。
そしてもっと恐ろしいのは、多くの日本人さえもが、核兵器のもたらす被害を過小評価していることです。さらに、私は核兵器と原発は同質のものと捉えていますが、いまだに「核の平和利用」などという言説を多くの日本人が信じていることも不安です。

ぜひ多くの人に読んでいただきたいと思い、紹介させてもらいます。
とても人間味あふれる読み物になっていますが、そこからのメッセージはいろいろなことを考えさせられます。

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2022/08/14

■「戦争とは誰かが私欲のために引き起こし利用するもの」

ハーバート・フーバーの「裏切られた自由」下巻を一応読みました。
と言っても、下巻は史料が多いのと、私の関心事から外れたところが多いので、一部の拾い読みで終わりました。そのおかげで、600頁でしたが、2日で終わりました。まあ目次を読んだ程度でしかありませんが。

その中に、対日本政策と原爆投下事情やロシアの参戦に関わる部分、そしてポツダム会談のあたりの話が出てきます。
それを読んでいて、「戦争とは誰かが私欲のために引き起こし、利用するもの」だと改めて思いました。いまさらなんだと笑われそうですが、いまのウクライナ戦争も、そういうことで停戦には至らないのでしょうか。その構図が見えてくるようです。日本政府もおそらくそれに加担している。誰も終わらそうとは思っていないような気がしてなりません。

 先の戦争で言えば、日本の降伏意図は、アメリカ政府にもロシア政府にも伝わっていたにもかかわらず、あえて原爆投下やロシア参戦を引き起こすために戦争は引き延ばされていたようです。戦争は「未来のために」行われることがよくわかります。

それと最後にハーバーの思いもかなり出ている論考も史料に残されていました。
特に、資料13「ルーズベルトの外交政策の評価」は興味深かったです。

 明日は日本では戦争が終わった日として位置づけられています。

「裏切られた自由」を読んだおかげで、今年の815日は、これまでとちょっと違った気分で迎えられそうです。改めて「戦争」とは何なのかを少し考えてみようと思っています。

 

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